2005-01-01から1年間の記事一覧

最近思うこと

最近、小さい子供が巻き込まれる事件をよく耳にする。自分も子供を持つ親として、子供の周囲の環境は非常に気になる。躾のできない親やヒステリーのような先生、物を盗んだり暴力の常習犯の子供など、目を凝らして見回せば危険は一杯ある。こうしたこととど…

パラダイムシフト 3

3.Counterforce(カウンターフォース-変革のブレーキ解除) プロモーションと平行して行なうのが、”Counterforce”(反対勢力) Managementのプロセスである。 “Counterforce”には3つの態様があり、3つのコントロールの方法がある。 一つ目は、変革当初から存…

会議・グループワークと民主主義

筆者は民主主義が有効に成立するためには、社会(組織)における同程度のバーバルコミュニケーション(言語による意思伝達)能力と、いい意見は受け入れるという社会的受容力が不可欠と考えている。意思が疎通できなかったり、理解できないのであれば、そも…

パラダイムシフト 2

2.Promotion(プロモーション-変革の後押し) 次は、従業員がステップに向かい足を進めるための「プロモーション」(推進力)である。トップの示したビジョンに向けてステップを踏みながら、絶えず疑心暗鬼に陥る従業員を振り返らせず、前へ向かわせる圧力…

店長の決断

この短いケースで一番考えなければいけないことは、顧客にとって最も大事なことは何かということである。多くの店長が、この問いに対して、品揃えの幅と価格の安さと答える。もちろん一般的な回答としては、それでOKであるが、各店舗の状況としては、必ずし…

パラダイムシフト 1

「パラダイムシフト」とは、思考パターンを変えることで、行動パターンを変えることであり、ここではトップのみならず、従業員の意識改革を行うことで、組織としての行動パターン・行動サイクル・行動の質を変え、”Corporate Regeneration”(企業再生)、つま…

小売ビジネス

小売ビジネスは、チェーン化して規模の経済を効かす本部主導型が多い。しかし、小売の現場は常に局地戦で本部の戦略が正しくても、各店の場所で勝てるとは限らない。 言ってみれば本部は将軍であり店は軍曹である。名将がいても負けるのは店における軍曹の指…

政治とマーケティング

小泉総理の「今回の選挙は郵政民営化に賛成か反対かの国民投票だ」というメッセージは強烈だ。マニュフェストの雑さに比べ、このメッセージは洗練されている。どっかのマーケティングプロがブレインにいるのではないかと思わせるほどだ。 世の中には論理的な…

2005年衆議院選挙の投票率で95%を目指そう!

前回2003年の投票率をご存知だろうか? 約60%。これが答えです。利権団体と高齢者、これが投票者の主体です。経済の主体であるサラリーマン世帯はこの日曜日、どこに行っていたのでしょうか?投票に行かなかった40%はきっと楽しい週末を過ごしたことでしょ…

Making of "ローソン研修" 5

「勉強になった!」 社長が退出した後、ローソンの幹部達がもらした言葉である。社長の頭の中をあれほど理路整然と解きほぐした形で聞いたことはなかったのだろう。ローソンの人は話好きだ。放っておくとずっとしゃべり続けている。そして多くしゃべりすぎる…

Making of "ローソン研修" 4

「マチのほっとステーション」。90年代初頭にできたこのブランドメッセージは組織の中にかなり浸透していた。「『ほっと』の意味はほっと安心という意味です。」「「『ほっと』の意味は「hot」つまり熱いという意味です。」しかし、それでも「マチのほっとス…

Making of "ローソン研修" 3

「では、やれるところまでやって判断しよう。」こうしてヒアリングが始まった。講師のオフシーズンとはいえ、僕は暇人ではない。だらだらとヒアリングしても時間ばかりが無駄に過ぎる。7月下旬に社長に直接ヒアリングをかけるとして、それまでに自社ケースが…

Making of "ローソン研修" 2

側近から伝わった社長の要請はこうだ。「過去のローソンに決別し、新社長が新しい改革路線をひた走っている。そして、改革1年でふと後ろを振り向くとだれもついてきていない。社長の頭の中にあるのは、自分の戦略を理解し、さらに自立的な判断ができるミドル…

選択の時

前回のケースの考え方をコラムにしてみました。 将来有望な若い人と将来のない高齢者のどちらかを選ぶというときに「経済性」を持ち出すのは倫理的に問題があると考える人も多いようです。そして、未来のある若者を助けたいと思う一方で、今、息をしている人…

Making of "ローソン研修" 1

6月5日のNHKの経済羅針盤という番組でローソン特集があり、その際、僕とグロービスが2年前からやっているローソンの経営幹部研修のシーンが流れました。目がいい人がいるもので、僕が新浪さんと並んで座って、受講生の発表を聞いているシーンを見つけた人も…

説得の柔道2-2

相手がリーダーのパワーを受け入れる環境が整ったら、後は軌道に乗せる動きが重要になる。まず、普遍的な価値観、コンセンサスのとり易い目的に合意を取り付けよう。次に、その目的に対し、あなたの命令ではなく、自分から何をするかを言わせよう。例え、不…

日本のあるべき姿

日本の強さは何であろう?日本人の勤勉さ、優秀さであろうか?高度経済成長時には、そんなこともいわれただろう。果たして本当にそうか?中国が共産主義ではなく資本主義であったなら、今の日本は本当にあったのだろうか?結局、日本が今の地位を築いたのは…

中国のデモ

大手商社の役員の方と会食する機会があり、その際、中国のデモの話題になった。役員は中国が一方的に悪いという論調であったが、私は若干意見を異にしていた。もちろん、中国政府がデモを容認し(あるいは扇動し?)、デモ参加者が日本企業や日本の商品を持…

JR西日本

事故車両に乗っていた二人の運転手が救助活動をせずに、職務復帰したといって非難され、事故当日、ボーリング大会や飲み会が催されたといっては槍玉にあげられる。このところ、さえないJR西日本であるが、これらの非難は本当に職務復帰や飲み会の開催によっ…

説得の柔道2-1

今回のケースは身につまされる人も多かったようで、反響が多かったですね。そして、いただいた意見は大きく言うと3つに分かれます。一つは、圧制者として、部下に対しこんなやつ首にしてしまえとか、自分で提案してみよとか指示を出すという類です。もう一つ…

日本企業の強さ

日本企業の強さのひとつは商品開発力にある。そしてその商品開発力の背景には、小さい差異にこだわり、細かな注文をつけるうるさい消費者の存在がある。蓋し、顧客へのフィードフォワードとフィードバックに真摯に取り組む企業は商品開発力で一歩抜ける。し…

説得の柔道2

以下は組織行動を議論する際に使うケーススタディです。新しく課長として赴任してきたあなたは、会社のコスト削減の方針に従い、前職で実施した事務手続きの大きな変更をここでも行おうとしています。しかし、あなたのプランを聞いた古参の部下が、上司であ…

人的投資

私がやっているビジネスのほとんどは研修で、今年このメルマガを出したのも受講生の復習の一助として考えたボランティアである。面白いことに企業によっていろいろ特徴がある。一人で何回も質問を寄せる受講生のいる会社もいれば、事務局しか登録しない会社…

フィリップスの変革

前回のフィリップスのケースとコラム「ライブドア考」は実はリンクしていたのだが、お気づきになっただろうか? フィリップスの大事なところは、定規で引いたきれいな線の上を多くの従業員歩かせようとする無理を感じて欲しかったのである。 あの程度の短い…

ライブドア考

私は、堀江さんがまだ長髪でマザーズに上場したばかりの頃、彼の上場に際しての最初の情報開示のプレゼンにアナリストとして参加したことがある。その時の同僚の評は、「うさんくさい」だった。彼が問題にしたのはプレゼンの内容ではなく、聴衆や質問者、つ…

フィリップスの変革

以下は企業変革を議論する際に使うケーススタディです。あなたはフィリップスの変革のどこに違和感を覚えますか? フィリップスは伝統的に国別組織(国毎に開発・生産・販売の組織がある)と商品事業部別組織のマトリックス組織で運営され、国別組織と商品事…

勝ちパターンとしてのブランド

ブランド構築を競争優位として考える企業は多い。しかし、ブランドを構築する力とは単に広告宣伝費の大きさのことではない。 勝ちパターンとしてのブランドとは、認知度とイメージに細分できるが、宣伝広告費は、認知度と、初期イメージ(第一印象)にはある…

ファシリテーションスキル(食品スーパー「エース級」の会議)

話の噛み合う会議は、効率的かつ効果的です。実際、なかなかそうしたいい会議には遭遇できません。多くは、大切な会議の時間を紙で配れば十分なつまらない報告にあてていたり、話があちこちに飛んで結局、なぜその結論に達したのかあいまいなまま終結する会…

前提仮説と結論仮説

前回の「仮説検証能力」の話で(ご覧になっていない方はhttp://d.hatena.ne.jp/xuccess/20050204を参照ください)、具体例を、というご意見があったので補足説明をしておきます。 上記のDackスポーツで入るべきがどうかという判断をする前提(シェア5%という…

Dackスポーツの集中戦略のケース(考え方編)

前回、掲載したDackスポーツのケースについて(ご覧になっていない方はhttp://d.hatena.ne.jp/xuccess/20050121を参照ください)、簡単に考え方をお話したいと思います。この短いケースでは、「事実」として確認できない点がいくつかあるので、常識的な範囲…