会議・グループワークと民主主義

筆者は民主主義が有効に成立するためには、社会(組織)における同程度のバーバルコミュニケーション(言語による意思伝達)能力と、いい意見は受け入れるという社会的受容力が不可欠と考えている。意思が疎通できなかったり、理解できないのであれば、そもそも民意の醸成など不可能だし、人の意見を受け入れるという素地がなければ衆愚政治となる。それぐらいだったら、いいリーダーによる独裁の方がましな状況さえあろう。


同様に、企業におけるグループワークや会議といったものにおいても、論理性や感性という面で共通認識がなければ議論はなかなかかみ合わず効率が異常に悪くなる。加えて、意固地になったり体面を気にしたり、いい意見を採用しあう風土がなければ、会議を重ねるほど、いいアイデアが骨抜きの陳腐なものになってしまう。それぐらいなら、上位下達の方がはるかに効果も効率もいい。


しかし、世の中、そういいリーダーがごろごろしている訳ではない。だからこそ、民主主義が政体として生き残っているわけだし、企業においても、上位下達から現場からのボトムアップへの転換を図ろうとする企業が増えている。


ボトムアップしろ!」と上が掛け声するだけではなかなかボトムアップの風潮などできないし、ちょうど、民主主義が効果的にもっともいい政治を実行できないように、会社の事業プランでもマーケティングプランでも中途半端な折衷案がごろごろし始める。


重要なのは、コミュニケーションの基本レベルをそろえることと、受け入れるというマインドを育てることだ。だからこそ、教育は大事なのだ。