店長の決断

巣鴨にあるK食品スーパー(仮称)の店長、沖田は悩んでいた。駅そばに衣食住全て揃う大型スーパーができるという噂があったからだ。床面積はK食品スーパーの3倍、かつ5階建てで、食品だけ1フロアを使用し、地元のJAからではなく各地の契約農家から配送される食材を扱うと考えられていた。

K食品スーパーは駅から10分ほど離れた高齢者の多い住居地に隣接し、駐車場・駐輪場はないものの、道路付けがよいため、夕方には歩道に買い物客の自転車が多く並んでいた。また、住居地の周辺には、Kと似たような位置関係にあるF食品スーパー、M食品スーパーらと競合していた。

沖田は、高齢のため引退する隣の商店主から敷地を譲渡してもよいという話を聞いていた。この話にのれば、床面積は今の倍になり、FやMに大きな差をつけることができた。大型スーパーには及ばないものの、かなりの広さになるため、買い物客が回遊するのにたっぷり時間をとらせることができる。しかし、土地だけで1億円ほどの資金が必要だ。一方で、現在の平屋を2階建てにすれば、資金は建屋の改築だけで済む。

沖田は何をすべきであろうか?

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