小売ビジネス

小売ビジネスは、チェーン化して規模の経済を効かす本部主導型が多い。しかし、小売の現場は常に局地戦で本部の戦略が正しくても、各店の場所で勝てるとは限らない。


言ってみれば本部は将軍であり店は軍曹である。名将がいても負けるのは店における軍曹の指揮が悪いからである。


最近、小売の店長クラスの人と話すことが多いが、意外と顧客を見ていない。自分の店の周辺にどんな人がいて、どういう動機で来店しているのか、あるいは来店しないのかの理由を知らないことが多い。本部の権限が強く、画一的なパターンで押しているチェーンほどそうである。


小売は局地戦である。将軍がどんなに優秀でも鬼軍曹がいない戦場の帰結は敗走である。もっとも、いい軍曹がいても、そもそも軍曹(店長)に局地(店)での戦い方の自由度をまったく与えていない将軍(本部)は、軍曹の手足を縛って戦わせているようなものなのだが。