選択の時

前回のケースの考え方をコラムにしてみました。


将来有望な若い人と将来のない高齢者のどちらかを選ぶというときに「経済性」を持ち出すのは倫理的に問題があると考える人も多いようです。そして、未来のある若者を助けたいと思う一方で、今、息をしている人を死なせてしまうという自分の行動には、刑事罰上の視点からも否定的な見解が多いようです。結局、自分の行動より、不作為(主体的に行動しないこと)を選ぶ人が多いのも致し方ないのかもしれません。


では、これが事業だったらどうでしょう?若い育ち盛りの事業と、衰退型の事業、ひとつの資源を配分するのに、今まで利用していたからといって、衰退事業に優先的に資源を回していたのでは、経営はおぼつかないですね。ところがそれが難しい。たとえば、カネボウ花王に化粧品部門を売却するという案を社内で調整できなかった例など象徴的です。


そこには冷徹な「切り捨てる」強い意志が必要になります。
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