ブルーオーシャン戦略

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)」が出版され、随分前にベストセラーとなった。競争の激しい市場をレッドオーシャン、競争の(少)ない市場をブルーオーシャンと呼ぶマーケティングには目を見張るものがある。


が、しかし、ここで述べられているコンセプトは古くはマイケル・ポーターの集中戦略に始まり、最近では拙著「Causeの経営―MBA、MOT、経営を学ぶ人のための競争戦略バイブル」の市場の選択と類似のコンセプトであり、あまり新しさはない。競争のない市場を探し選択することが競争上重要なのはいうまでもまない。そういう意味で競争戦略で新機軸を打ち出すのは用意ではないのだろう。


もっといえば、たわわに実る豊穣な市場であればたとえ、ブルーオーシャンであってもいずれ新規参入者で溢れかえることとなり、そのときまでにいかなる武器を備えるか、味方と手を組むかが重要な要件である。そのことを忘れてはならない。

Causeの経営―MBA、MOT、経営を学ぶ人のための競争戦略バイブル

Causeの経営―MBA、MOT、経営を学ぶ人のための競争戦略バイブル

女性の社会進出

団塊の世代900万人が来年以降大量退職を迎える(300万人/年)。
一方で、今後社会人になる未成年は年に100万人を切っている。
ということは数年で約600万人の就業者の需給ギャップが生まれることになる。
また、景気がよくなればますます採用枠が増え、優秀な人材を雇用することはますます難しくなり、各企業で人手不足となる。
当然、女性の雇用も増え、共働き世帯が増える。
ということは、子供が親と接する世帯がますます少なくなり、保育園や学童が一時的に満杯となる。
そして、ますます子供を生む世帯が減少し、日本の人口減少に拍車がかかる。
子供を生んだ後のケアに時間を割かなくて済むようなシステムが求められるのは非をみるより明らかだ。
しかし、なにも公の手当てを増やせといっているのではない。そこにはマーケットチャンスが大きいといっているのだ。
これまでの女性の雇用のようにパートではなく、正社員での女性労働者が多数増えるのである。
共働きとはいってもかつてのように低所得世帯層のイメージとは違う。
男女とも正社員でバリバリ働けば、その世帯収入は取締役クラスの所得と変わらなくなる。つまり金持ちなのだ。
翻って、夏休みの子供達のお昼ご飯はどうなっているのだろう。
バリバリ働くお母さんが給食の代わりに早起きしてお弁当を作っている共働き世帯の多いこと。
なぜ、だれもこういったおいしいマーケットに目をつけないのだろうか。
おいしいだけでなく、社会的意義も高いんだぞ。

サントリーのマーケティングは本当にうまいのか?

「千三つ」といわれる飲料業界で、数々のヒットを飛ばすサントリーだが本当にマーケティングが上手なのだろうか?


確かに、魅力的でおもしろいCMが多いのは事実だが、失敗も多い。結局、「千三つ」といわれる業界で、大量死を生みながらヒットを飛ばしているにすぎないのではないか?つまり、ヒットの確率は他と大差ないのではないか?そのくせ、大量に新商品を出す一方で、どうしても長寿商品が少ない。


もし、本当にマーケティングが上手ならば、本来は、大量死を出さずに長寿のヒット商品を量産しているのではないかなどと考えてしまう。社内のスクリーニングがうまく機能しないから、多くの新商品を市場に投入する。投入した新商品を市場の篩にかけているだけではないかなどと考えてしまうのはうがちすぎだろうか?


ところで、サントリーの山崎はおいしい。このおいしい山崎を中心とする、サントリーのウィスキー部門は長いこと構造不況業種になっている。本当にマーケティングがうまいのなら、是非日本のウィスキー文化を盛り上げて欲しいものだ。

競争戦略のテキストは

Causeの経営―MBA、MOT、経営を学ぶ人のための競争戦略バイブル

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モノを作るということ

日本は資源のない国だ。ここで豊かな暮らしをするためには、日本は海外に何かを売って食料や多くの素材を輸入する必要がある。

しかし、今の日本のベンチャーはITやサービスが多すぎる。もっと、製造業のベンチャーを起すよう制度を充実させるべきだ。

IT・サービスは内需には貢献するが、これらが主流となれば、この国の長期的な構造不況は否定できない。

製造業といっても、機械を作るだけが製造業ではない。農業や漁業といった素材、アニメや娯楽でも輸出できるものは、広く製造業ととらえられるべきだ。

とりわけ、農業・漁業、石炭・石油類は極端に生産性が低く、輸出どころか国内消費でも保護を要するお荷物である。

しかし、どうだろう。本来はこうした生産性の低い産業においてこそ知恵が生産性を向上させ、競争力を生み出すはずではないか?

こうした進化・成長を妨げているものが「規制」である。

現在、生産性が低く構造不況業種と思われている業種でもやりようによってはいくらでも生産性をあげ、輸出産業に変わることはできる。

そのためには、知恵が使えないようにしている「規制を緩和」し、その知恵を助長する「保護」が望まれる。

もっと、真剣に、競争力という道筋に沿って、ものづくりのための支援と規制緩和を議論すべきだ。
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少年サッカー

ワールドカップをみてだれもが、日本のサッカー選手はこうも小さいのだろう?と感じたのではないか?

少年サッカーのD級ライセンスを持つ身から見ると、なんとなくそうなる構図がわかる。

低学年のサッカーの場合、体が小さくてすばしこい子がどうしてもボールに早く寄りやすく「うまい」と感じてしまう。

体の大きな子はどうしても動きが悪く、コーチがサッカーの実力でチーム編成をすると試合に出られるのは、体の小さなすばしこい子
ばかりになってしまう。

そのうち、体の大きな子はサッカーではなく、野球とかに流れてしまう。こうしてサッカーをやる子は小さな子ばかりになってしまう。

もちろん、低学年で体の小さな子が成長して大きくなる場合もあるだろう。でも中学年、高学年で体が成長過程にある時期には、ある種の
バランスが崩れ一時的にボール捌きが下手になってしまうことがある。この場合、低学年と同じ現象が中・高学年でも起きてしまう。

成長過程にある小学生のサッカーで過度に実力主義を貫くのはいかがなものか?試合の勝ち負けを考えさせすぎるのはどうだろうか?

僕は、小学生の間は勝ち負け抜きに全員が平等に試合に出て、サッカーの喜びを理解させることの方が重要に思う。
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良質な仮説?

仮説検証で重要なのは、良質な仮説、しかし、それを導き出すのが容易ではない。
では簡単な質問をしてみよう。
「あなたはスーパーの店長です。ある日、ふと店の前の通りを通る人を見ていたら、通る人100人中95人が店の前を左から右に歩く女子高生
でした。この時、あなたは何をしますか?」
この文章を読んで、実際のスーパーの店長達はみなこう答えた。
「通りに面した店先に女子高生向けのグッズをおきます。例えば文房具やアクセサリー、ファッション小物などです。」
同様の答えを考えた人は、スーパーの店長になれるかもしれない。
しかし、この答えの中には良質な仮説はない。これでは成功の確率が高くならず、構造不況業種に落ち込んでしまう可能性さえある。

仮説は仮の説、つまり、事実以外のすべての推論は仮説と称される。しかし、重要なのは、事実以外のすべての推論ではない。
重要なのは、意味ある打ち手につながる推論である。(続く)

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仮説って何?

世の中では、「仮説検証」という言葉が流行しているが、一体どれぐらいの人が「仮説検証」を説明できるだろうか。
試しに私のクラスで小売の店長達に聞いてみた。
「仮説検証を部下に指導している人います?」
ほとんどの人が手を上げる。
「じゃ、仮説って何ですか?」
ほとんどの人が手を下げる。
わずかに手を下げずに残った人に答えてもらった。
「仮説って『仮の説』でしょう。」
僕と残りの店長達が顔を見合わせ、笑顔でこう言った。
「それじゃ『の』を入れただけじゃないですか。」

笑い話のような本当の話だ。
仮説検証という言葉が一人歩きしているが、どんな仮説を立て、何を検証すべきかを考えて使っている人は実は少ない。
現実に自社のエンジニアやマーケターに尋ねてみてはどうだろう。
「ところでさ、仮説って何?」
ちゃんと答えられれば、その会社はうまく回っているに違いない(続く)。
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