パラダイムシフト 4

4.Communication(コミュニケーション-変革の土壌)


こうして3つのプロセスを見てきたときに、共通して大事なイシュー、言葉をかえればインフラがあることに気が付いたことだろう。それはコミュニケーションの重要性だ。ただ、コミュニケーションといっても、”Controlled Conflict“で重要な要素は3つだ。その3つとは、透明性、公平性、整合性だ。透明性とは、トップが口にしていることと考えていることが同じであり、かつ、その思考が末端まですばやく正確に到達することを意味し、公平性は、みんなが同じように痛みに耐え、評価されることを意味し、整合性とは、トップやその周囲の言行一致が確保されていることを意味する。パラダイムシフトでは、本当に痛みに立ち向かわなければならないのかみんなが疑心暗鬼の中にいる。疑心暗鬼を解消しビジョンに突き進ませるインフラがコミュニケーションである。


コンチネンタル航空の例では、CEOへのホットライン・対話集会など、CEOと従業員が接する面を多く作っていることが特徴だ。加えて、悪い話もいい話も、社外より先にデイリーに掲示板で情報提供されるオープンさ、がんばったら全員がもらえる公平なボーナス、拠点閉鎖には必ずCEO(ないしは直属の部下)が行って説明するというアカウンタビリティー、一旦権限委譲した以上、安全に関するミス以外は責任追及はしないという徹底したスタンスなどコミュニケーションが文化変革に果たした要素も大きい。


日本電産の永守社長はE-mailを多用しながらも、叱咤は社内で紙爆弾と呼ばれるFax通信で行なっている。これによって、Faxが送られる当人だけでなく、周囲の人間に対しても効果的にトップの啓示を示している。小倉社長や永守社長に共通していることは「言行一致」のスタイルであり、言葉だけでなく、行動によって彼らの変革の意志をコミュニケーションしている。だからこそ、従業員はトップのVisionを信じ、Promoteされ、Counterforceを克服することができる。
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