一休.comの苦戦
高級ホテル・旅館の予約サイト、一休.comが苦戦している。
この会社が上場した時に、一体参入障壁はどうするのだろう?と感じていたのだが、やはり、その時の不安通り、楽天、JTBなど大手の旅行サイトがこぞって、高級ホテル・旅館の予約事業に参入している。
当初、一休は100万人の高級ホテル・旅館を嗜好する顧客データベースが資産であり、障壁であると考えていたようだが、この100万人はインターネットヘビーユーザーの小金持ちに過ぎない。小金持ちは、より安いサイト、使い勝手のよいサイト、情報の豊富なサイトに簡単に流れてしまう。一方で、本当の富裕層(大金持ち)は、一休なんかを使う必要がない。従って、資産と思われる顧客データベースなど何の価値もない。
では、一休は「どうやっても」淘汰されてしまうのであろうか?
いや、方法はいくつかある。例を2つほど紹介しよう。
一つは、本当に富裕層を顧客にしてしまうことである。一休を通すことで値段は高くてもスペシャルな待遇が受けられれば、富裕層は顧客足りうる。この場合、一休は富裕層のコンシェルジェ機能会社となり、本当に価値のある顧客データベースを持つことになる。さらには、旅行取次ぎ業からの脱皮も期待できる。
もう一つは、会員相互の交流、要するにサークル活動などのグループ化を図ることである。こうすることで、そこに集う会員が魅力となるために移ろうことが少なくなる。
しかし、こうした動きも1st mover's advantageが利くため、最初に動くことが重要であろう。一休がそこに気付くか、それとも他の旅行サイトが気付くか、早い者勝ちである。
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